新クォロ語は、旧クォロ語の基本的な構造を踏襲しつつ、より豊かな表現力を持つように設計された人工言語です。以下に、新クォロ語の文法的な特徴を詳しく説明します。
新クォロ語は、基本的には SOV(主語 - 目的語 - 動詞) の語順を採用します。ただし、格接頭辞によって文の要素が明確になるため、語順の自由度は比較的高くなっています。強調したい要素を文頭に置くことなども可能です。旧クォロ語同様に、文を構成する主要な要素は、主語、目的語、動詞の3つです。
新クォロ語は、豊富な格体系を持ちます。各格は、名詞に付く接頭辞によって区別されます。新クォロ語で使用する格接頭辞は以下の通りです。
格 接頭辞 説明 主格 ga- 文の主語を示す。 対格 ru- 動作の直接的な対象を示す。 所有格 wi- 所有や所属関係を示す。 場所格 de- 場所や方向を示す。時間的な意味合いでも使用可能。 与格 gre- 動作の受恵者を示す。 手段格 uro- 動作の手段、方法、材料を示す。 共格 og- 複数者が一緒に何かをする時に使用。
~と一緒に: 接頭辞 og- を対象の名詞に付ける。
私とあなた: 名詞の間に -og- を挟む。 起点格(場所) so- 場所の起点や動作の出発点を示す。 起点格(時間) bu- 時間的な起点を示す。 so- とは区別して、時間の起点を表す。 到着格 zi- 時間的、空間的な終点を示す。 比喩格 co- 比喩や類似性を表す。 理由格 yo- 動作の理由、原因を示す。 動名詞化格 eki- 動名詞化する時に用いる。 副詞格 xi- どのようにといった、副詞的な用法を示す。
これらの格接頭辞は、単語の頭に付き、その単語が文中でどのような役割を果たすかを示します。共格は、単語に接頭辞として付与したり、名詞間に挟むことで「~と一緒に」や「~と~」といった意味を表現できます。格の接頭辞はハイフンを省略します。
動詞は文の最後に置かれます。旧クォロ語同様に、時制や助動詞を表す接尾辞は、動詞の語幹にスペースなしで連結されます。例:-id (過去形), -ek (未来形), -wan (可能)。動詞には、否定を表す raw が動詞の後ろに来ます。旧クォロ語の規則同様に、動詞は基本的に他動詞として扱います。
旧クォロ語同様に、名詞の複数形は -en を語尾に付けることで表します。名詞を修飾する形容詞は、名詞の前に置きます。旧クォロ語の規則を踏襲し、句を構成する単語はハイフンで繋ぎますが、2つの句をハイフンで繋げることはできません。
形容詞は名詞の前に置き、名詞を修飾します。旧クォロ語同様に、形容詞を修飾する語には、-na-や-da-などの修飾語をアポストロフィで繋ぎます。例:yay'na'madur (大きい人)。旧クォロ語の規則を踏襲し、比較級や最上級を表す文法要素はありません。
副詞は、修飾する語句の前に置くか、文末に置きます。旧クォロ語同様に、副詞節は文末に置きます。
旧クォロ語の規則を踏襲し、接続詞や前置詞、後置詞、副詞などは独立した単語として扱います。旧クォロ語同様に、機能語である xu や zod などは連続して並べてはいけません。接続詞 og は、共格の接頭辞としても使用します。
接頭辞の最後の母音は、直後に母音で始まる語幹が続く場合、省略されます。例: ga-ikan は gikan になる。このルールにより、発音がスムーズになります。
動詞に eki- を付けることで動名詞として機能します。動名詞化した動詞は、名詞と同様に格変化をします。
新クォロ語では、接頭辞と語幹をスペースなしで表記します。ただし、共格の -og- は、名詞の間に挟む形で表記します。句を構成する単語はハイフンで繋ぎます。文の終わりはピリオドで閉めます。旧クォロ語同様に、文を繋げる場合は独立した単語として扱います。文章の始まりの文字は大文字にします。
疑問文のqa qeは、qaを文頭、qeを文末に持ってくる。どちらかを省略しても良い。
ko は、以下のような役割を持つ独立した機能語(前置詞)として機能します。
特定の分野やジャンルの中に含まれる要素を示す。英語の "in" や "within" に近い意味合いを持ちます。例: muskan ko kip (音楽における喜び) - "joy within music"
特定の集合やグループに属する要素を示す。例: aqira ko kizna (家族の中の絆) - "bond within the family"
ある範囲や領域の中で、特定の要素を示す。例: gara ko kwaga (山の中の道) - "path within the mountains"
抽象的な概念や状況の中で、特定の要素を示す。例: dando ko cawri (今日という状況の中の気持ち)
「A wi B」=「BのA」(Bが所有するA)
例文:
"Kniga wi kqi."(本 の 彼 → 「彼の本」)
特徴:
この規則は、新クォロ語の語彙を効率的に拡張し、意味の対立を簡潔に表現するためのものです。簡単に言えば、ある単語の音を逆順に並べ替えることで、その単語の反対の意味を持つ新しい単語を生成します。
この規則は、特に形容詞、動詞、感情を表す語彙、抽象的な概念を表す語彙など、対義語が存在する可能性のある単語に適用します。すべての語彙に適用できるわけではなく、意味的に反対の概念を形成できる語彙に限定します。
単語を構成する音(子音と母音)の順序を完全に逆転させます。
例: godur -> rudog (d-o-g-u-r -> r-u-g-o-d) sir -> ris (s-i-r -> r-i-s) kom -> mok (k-o-m -> m-o-k)
反転後の単語が、新クォロ語の音韻体系に適合し、発音しやすいことを確認します。反転後の単語が、元の単語と明確な反対の意味を持つようにします。
音を反転させただけでは意味をなさない場合や、発音が難しい場合、音を少し調整する必要があります。
単語によっては、反転させるだけでなく、接頭辞を付けたり、音をわずかに変化させたりすることで、より自然で反対の意味を表す単語を生成します。例: nunda (現在) -> adnun (過去)(n-u-n-d-a -> a-d-n-u-n。aを先頭に追加する)
全ての単語に適用できるわけではありません。音を反転させても意味をなさない場合や、発音が難しい場合は、別の方法で対義語を作る必要があります。
反転させた単語が発音しにくい場合は、音をわずかに調整する必要がある場合があります。
反転させた単語が、元の単語と複数の意味で対立する場合は、文脈から意味を判断する必要があります。
「単語を逆から読むことで反対の意味にする」という規則は、新クォロ語の語彙を効率的に拡張し、対義語の関係性を明確にするための強力なツールです。この規則を理解することで、新クォロ語をより深く理解し、柔軟な表現をすることができるでしょう。